「ゼロトラスト」という言葉をよく聞くようになりましたが、「大企業向けの話」「導入コストが高い」と敬遠している中小企業は多いのではないでしょうか。実は、すでに使っているGoogle WorkspaceやMicrosoft 365の設定変更だけで、ゼロトラストの第一歩を踏み出せます。
ゼロトラストの本質(30秒で理解)
従来:社内ネットワーク = 安全、社外 = 危険(境界型セキュリティ) ゼロトラスト:どこからのアクセスも信頼しない。毎回検証する。
VPNで社内に入れば何でもアクセスできる時代は終わりました。リモートワーク、クラウド、BYOD(個人端末の業務利用)が当たり前の2026年、境界型セキュリティはもう機能しません。
Phase 1:今すぐ無料でできること
Google Workspace の場合 - [ ] 全ユーザーに**2段階認証を強制**(管理コンソール → セキュリティ) - [ ] **コンテキストアウェアアクセス**を有効化(デバイスの状態に応じてアクセス制御) - [ ] **セキュリティキーの推奨**(フィッシング耐性のある認証) - [ ] **アラートセンター**の監視設定 - [ ] **DLP(Data Loss Prevention)**ルールの設定
Microsoft 365 の場合 - [ ] **セキュリティの既定値群**を有効化(Azure AD → プロパティ) - [ ] **条件付きアクセス**ポリシーの設定 - [ ] **Microsoft Defender for Office 365**の有効化 - [ ] **情報保護ラベル**の設定 - [ ] **監査ログ**の有効化と保持期間延長
Phase 2:低コストで実現する強化策
デバイス管理(MDM) - Google Workspace:**エンドポイント管理**(追加費用なし) - Microsoft 365:**Intune**(Business Premium以上) - **管理対象デバイスのみ**社内リソースにアクセス可能に設定
ネットワークアクセス制御 - **Cloudflare Zero Trust**(50ユーザーまで無料) - VPN不要のアプリケーションアクセス - デバイスポスチャーチェック - DNSフィルタリング - **Tailscale**(個人利用無料、チームは有料) - WireGuardベースのメッシュVPN - ACLによるきめ細かいアクセス制御
アイデンティティ管理 - **SSO(シングルサインオン)**の導入 - Google Workspace / Azure ADをIdPとして活用 - 対応SaaSにSSO接続を設定 - パスワードの使い回しを根本的に解消
Phase 3:本格的なゼロトラストアーキテクチャ
SASE(Secure Access Service Edge) ネットワークとセキュリティを統合したクラウドサービス。 - Cloudflare One - Zscaler - Palo Alto Prisma Access
CSPM(Cloud Security Posture Management) クラウドの設定ミスを自動検出。 - Wiz - Prisma Cloud - AWS Security Hub
SOAR(Security Orchestration, Automation and Response) セキュリティ運用の自動化。 - Microsoft Sentinel - Splunk SOAR - Tines(無料プランあり)
ゼロトラスト導入のよくある失敗
- 一度に全部やろうとする → Phase分けで段階的に導入
- ユーザー体験を無視 → MFAの方法を選択可能にする
- 例外を作りすぎる → 役員も例外なし
- 監視だけで終わる → 自動対応まで実装する
- 完成形がないことを理解しない → 継続的な改善が前提
この記事のポイント
- ゼロトラストは「毎回検証する」というシンプルな原則
- Google Workspace / Microsoft 365 の設定変更だけで第一歩が踏める
- Cloudflare Zero Trustは50ユーザーまで無料で使える
- Phase分けで段階的に導入し、ユーザー体験とのバランスを取る
- ゼロトラストに完成形はない — 継続的な改善が前提のフレームワーク
#ゼロトラスト#SASE#SSO#Cloudflare#中小企業